日本科学未来館「大南極展」に行ってきた
混雑状況は?見どころは?隕石・南極の氷・ブリザード体験をレポ
日本科学未来館で開催されている、南極観測70周年記念 特別展「大南極展」に行ってきました。
南極と聞いて思い浮かべるのは、どこまでも続く雪と氷の世界。
そして、厳しい寒さの中で南極観測隊が研究をしている――。
私も、それくらいのイメージしか持っていませんでした。
ところが、実際に大南極展を見てみると、知らなかったことばかり。
南極でたくさんの隕石が見つかる理由。
本物の南極の氷から聞こえてくる不思議な音。
映像を使って激しい吹雪を体感するブリザード体験。
そして意外だったのが、昭和基地で暮らす人たちの日常です。
食事を楽しみ、野菜を育て、髪を切り、ときにはみんなでイベントを楽しむ。
南極は「観測や研究をする場所」であると同時に、人が暮らしている場所でもありました。
この記事では、実際に大南極展を訪れたときの様子や体験型の展示を紹介しながら、私が特に気になった「隕石」「南極の氷」「ブリザード」「昭和基地の暮らし」について紹介します。
日本科学未来館「大南極展」に行ってきた
今回訪れたのは、東京・お台場にある日本科学未来館です。
開催されていたのは、南極観測70周年を記念した特別展「大南極展」。
「南極の展示」と聞いて、最初は南極の自然や観測研究について学ぶ科学展を想像していました。
もちろん、そうした展示もたくさんあります。
しかし実際に会場へ入ってみると、想像していた以上にテーマが幅広い。
南極の自然や生き物だけでなく、隕石、アイスコア、大気、海洋、オーロラ、地質など、南極で行われているさまざまな研究について紹介されています。
さらに後半では、昭和基地で隊員たちがどのように暮らしているのかまで見ることができました。
そして面白かったのが、説明を読んだり資料を見たりするだけではないことです。
実物資料や映像に加えて、自分で参加できる体験型の展示もたくさんあります。
「南極について学ぶ」だけではなく、「南極観測を少し体験してみる」。
そんな楽しみ方ができる特別展でした。
ミッションシートを持って南極観測へ
子どもと一緒に楽しめたのが、「特別南極観測隊 ミッションシート」です。

会場内を回りながら南極や観測について学び、ミッションをクリアしていく仕組みになっています。
ミッションシートを見ると、会場には、
- 隕石探査エリア
- 大気観測エリア
- ブリザードエリア
- アイスコアエリア
- 生き物エリア
- オーロラ観測エリア
- 海洋観測エリア
- 地質調査エリア
- 昭和基地エリア
など、さまざまなテーマのエリアがあります。
こうして並べてみると、ひとことで「南極観測」といっても、研究していることは本当に幅広いことが分かります。
私自身、南極観測といえば、気象や氷の研究くらいしか思い浮かびませんでした。
ところが、隕石から宇宙を調べたり、海を調べたり、生き物を調べたり、地球の過去の気候まで調べたりしている。
「南極って、こんなにいろいろなことを研究できる場所なんだ。」
まず、そこから驚きました。
見るだけじゃない!体験型の展示もたくさんあった
大南極展でよかったのが、パネルを読んだり資料を見たりするだけではなく、実際に自分でやってみる展示がたくさんあったことです。
科学の特別展ということで、行く前は、
「子どもには少し難しいかな?」
とも思っていました。
ところが実際に入ってみると、そんな心配はありませんでした。
見て、触って、数えて、乗って、体感する。
子どもと一緒にあちこちの展示を試しているうちに、気がつけば2時間以上も会場に滞在していました。
南極の生き物を観察
生き物エリアでは、南極の生き物を観察できる展示がありました。

ただ写真を見るだけではなく、自分で探しながら生き物を見つけていくので、ちょっとした南極調査のような感覚で楽しめます。
南極というとペンギンのイメージが強かったのですが、実際にはどんな生き物が暮らしているのか。
体験しながら知ることができる展示になっていました。
南極調査で運ぶ荷物の重さを体感
南極調査で使う荷物の重さを体感できる展示もありました。

展示を見るだけなら、
「南極で調査をするのは大変なんだろうな。」
と想像するだけです。
でも実際に重さを感じてみると、少し印象が変わります。
これを持って移動する。
しかも、場所は南極です。
雪や氷の上を移動し、厳しい寒さや風の中で調査することを考えると、南極で観測することの大変さが少しだけ現実味を持って感じられました。
ペンギンの数を数えて調査員気分
面白かったのが、たくさんいるペンギンの数を数える展示です。

たくさんのペンギンを見ながら、
「何羽いるんだ?」
と数えていきます。
やっていることはシンプルなのですが、これが意外と難しい。
たくさんいる生き物を正確に数えるのも、調査のひとつです。
ちょっと「野鳥の会」気分になりながら、子どもと一緒に楽しめました。
スノーバイクにも乗ってみた
さらに、南極での移動をイメージできるスノーバイクの展示もありました。

実際にまたがってみることができるので、こうした展示は子どもも楽しみやすいです。
雪と氷に覆われた南極では、移動するだけでも日本での生活とはまったく違います。
展示されているものを眺めるだけでなく、実際に乗ってみることで「南極で活動する」ということを少し身近に感じられました。
ペンギンのヒナって、どれくらい重い?
ペンギンのヒナの重さを体感できる展示もありました。

写真や映像でペンギンを見ることはあっても、
「ペンギンのヒナって、実際にはどれくらい重いんだろう?」
なんて考えたことはありませんでした。
こうして自分の手で重さを感じてみると、写真で見ていた生き物が少しリアルな存在になります。
見るだけなら通り過ぎてしまいそうなことでも、実際に体験すると記憶に残る。
大南極展には、そんな展示がいくつもありました。
ブリザードを疑似体験
そして、大南極展の体験展示の中でも特に強烈だったのがブリザード体験です。

映像などを使って、南極の激しい吹雪によって視界が奪われる感覚を疑似体験できます。
これが私には想像以上に強烈でした。
体験した途端、気持ち悪くなってしまったのです。
単に「すごい映像だった」で終わらず、以前北海道でホワイトアウトを経験したときの不思議な感覚まで思い出しました。
このブリザード体験については、後ほど紹介する別記事で詳しく書いています。
南極の夜空に広がるオーロラも
激しいブリザードとは対照的に、オーロラを楽しめる展示もありました。

南極というと「寒い」「厳しい」というイメージばかり持っていましたが、オーロラの展示を見ると、南極だからこそ見られる美しい自然にも目が向きます。
激しいブリザードがある一方で、夜空にはオーロラが広がる。
展示を順番に回っていくことで、私が持っていた「雪と氷だけの南極」というイメージが少しずつ変わっていきました。
気がつけば2時間以上滞在していた
こうした体験展示を一つずつ試しながら会場を回っていると、あっという間に時間が過ぎていきます。
南極の生き物を観察する。
調査員の荷物の重さを感じる。
ペンギンを数える。
スノーバイクに乗る。
ペンギンのヒナの重さを感じる。
ブリザードを体験する。
オーロラを見る。
「南極について勉強する」というより、「自分も南極観測を少し体験してみる」ような感覚で楽しめました。
この他にも色々体験型あったんですけど、子供を見てたり、探したり、自分も楽しんだりしてたら写真撮り損ねちゃいました(^_^;)
そして、実際に見たり体験したりしたからこそ、
「これはどういうことなんだろう?」
「もっと詳しく知りたい。」
と思った展示もあります。
その中でも、特に私の印象に残ったものが次の4つでした。
大南極展で特に印象に残った4つの展示・体験
どのエリアも興味深かったのですが、その中でも特に気になったのが、
- 南極で発見された隕石
- 本物の南極の氷
- ブリザード体験
- 昭和基地での暮らし
の4つです。
どれも展示を見て、
「へえ、そうなんだ。」
で終わったものではありません。
「なんで?」
という疑問が残りました。
そこで、この4つについては別の記事でもう少し詳しく調べています。
なぜ南極では隕石がたくさん見つかる?

まず驚いたのが、南極で発見された隕石です。
隕石の展示を見ること自体はありますが、大南極展では複数の隕石が紹介されていました。
そこで最初に思ったのが、
「どうして南極には、こんなに隕石が落ちるんだろう?」
ということです。
ところが調べてみると、私の疑問は少し間違っていました。
南極にだけ特別たくさんの隕石が落ちているわけではありません。
面白かったのは、南極の氷が隕石を長い時間をかけて運び、特定の場所に集まりやすくする仕組みがあることです。
「落ちる」のではなく「見つかる」。
大南極展をきっかけに調べて、初めて知りました。
関連記事▶▶
なぜ南極では隕石がたくさん見つかる?氷が隕石を集める仕組みを調べてみた
本物の南極の氷から「昔の空気」の音が聞こえた

続いて印象に残ったのが、本物の南極の氷です。
会場に入って比較的早い段階、南極大陸について紹介するエリアに置かれていました。
南極から運ばれてきた本物の氷。
それだけでも十分珍しいのですが、私が展示を見ていると息子から、
「パパ、氷から音がするよ。」
と言われました。
耳を近づけてみると、確かに氷から小さな音が聞こえます。
「なんで氷から音がするんだ?」
これも気になって調べてみると、氷の中に閉じ込められた気泡が関係していました。
さらに面白かったのが、その気泡に含まれる空気です。
南極の氷には、雪が積もって氷になる過程で、その時代の大気を反映した空気が閉じ込められています。
そのため、南極の氷を調べることは、過去の地球環境を調べることにもつながります。
会場で何気なく聞いた小さな音が、地球の過去につながっていました。
関連記事▶▶
南極の氷はなぜ音がする?気泡に閉じ込められた「昔の空気」を調べてみた
ブリザード体験をしたら気持ち悪くなった

そして、身体で一番印象に残ったのがブリザード体験です。
映像などを使って、南極の激しい吹雪を疑似体験します。
最初は、
「南極のブリザードって、どれくらいすごいんだろう?」
くらいの軽い気持ちでした。
ところが、展示の中へ入った途端――。
「気持ち悪い……。」
映像を見ているだけなのに、まっすぐ歩きにくくなるような不思議な感覚になりました。
そこで思い出したのが、十数年前に北海道で経験したホワイトアウトです。
車で前へ進んでいるはずなのに、なぜか空を飛んでいるような、上へ登っているような感覚になったことがありました。
大南極展での映像酔いと北海道でのホワイトアウト。
まったく違う体験ですが、調べてみると「視覚と身体感覚」という面白いテーマにつながりました。
関連記事▶▶
大南極展のブリザード体験で気持ち悪くなった|北海道のホワイトアウトで感じた「空を飛ぶ感覚」も思い出した
昭和基地では研究だけでなく「暮らし」を支える人がいた

そして、今回の大南極展で一番意外だったのが、昭和基地での暮らしです。
南極観測隊というと、研究者たちが観測や研究をしている姿ばかり想像していました。
ところが、昭和基地は長期間にわたって人が生活する場所でもあります。
展示では、毎日の食事や水耕栽培、さまざまな担当係、イベントなどが紹介されていました。
食料は一年分を準備する。
新鮮な野菜を食べるために、基地内で野菜を育てる。
髪が伸びれば散髪もする。
誕生日を祝い、お花見をし、流しそうめんまで楽しむ。
「南極でも、ちゃんと人が暮らしているんだ。」
当たり前のことなのですが、展示を見るまで私はそこをほとんど考えていませんでした。
そして何より印象に残ったのが、研究者だけで南極観測が成り立っているわけではないということです。
料理を作る人。
設備を維持する人。
物資を管理する人。
そして、隊員たちの日々の生活を支える人。
観測や研究の裏側には、南極で「普通に暮らせる環境」を作り、守っている人たちがいる。
そうした人たちがいるからこそ、研究者も南極で観測を続けることができます。
私にとっては、研究内容そのものと同じくらい、そこが面白く感じられました。
関連記事▶▶
昭和基地ではどう暮らしている?研究だけじゃない「生活を支える仕事」に驚いた
4つの展示から南極の見え方が変わった
今回、特に気になった4つを振り返ってみると、まったく違う展示なのに、それぞれ南極の別の一面につながっていました。
- 隕石からは、南極の氷の動きと宇宙の研究
- 南極の氷からは、過去の大気と地球環境
- ブリザードからは、南極の自然の厳しさ
- 昭和基地からは、そこで働く人たちの暮らし
私の中では、それまで全部まとめて「雪と氷の南極」でした。
しかし実際には、南極だからこそ分かる地球の過去があり、宇宙の研究があり、厳しい自然があり、その中で暮らす人たちがいます。
南極は「遠くにある寒い場所」だけではなかった。
それぞれの展示から違った南極が見えてきたことが、大南極展の面白さでした。
大南極展は子どもと一緒でも楽しめた
今回は子どもと一緒に大南極展を回りました。
科学の特別展なので、行く前は少し難しい内容も多いのかなと思っていました。
確かに、詳しく読んでいけば専門的な内容もあります。
しかし、すべてを理解しなければ楽しめない展示ではありません。
実物を見る。
ペンギンを数える。
荷物の重さを感じる。
スノーバイクに乗る。
ブリザードを体験する。
ミッションシートを持って会場を回る。
子どもは「体験」から南極に入っていけるので、一緒に楽しみやすい特別展だと感じました。
そして実際、本物の南極の氷から音がすることに先に気づいたのは息子でした。
「パパ、氷から音がするよ。」
その一言がなければ、私はそのまま通り過ぎていたかもしれません。
子どもは子どもの目線で気になるものを見つけ、大人はそこからさらに疑問を掘り下げていく。
親子で「なんでだろう?」を見つけながら回れる。
それも、大南極展の面白さだと思います。
大南極展の混雑状況|平日の月曜日でも人は多かった
私たちが大南極展を訪れたのは、平日の月曜日、午前11時ごろです。
「平日だし、それほど混んでいないかな」と思っていたのですが、実際に行ってみると想像していたより人は多かったです。
まず入場チケットを購入するために列に並び、購入まで10分ほどかかりました。
そして会場に入ってからも、展示を見ている人はかなり多め。
「平日の月曜日でも、こんなに人がいるんだ。」
というのが率直な印象でした。
特に大南極展には、見るだけではなく実際に参加できる体験型の展示がいくつもあります。
私たちも、
- 南極の生き物を観察する展示
- 調査員の荷物の重さを体感する展示
- ペンギンの数を数える展示
- スノーバイクに乗る展示
- ペンギンのヒナの重さを体感する展示
- ブリザード体験
などを楽しみました。
人が多かったので体験型展示では何度か並びましたが、私たちが訪れたときは長くても5分ほどの待ち時間でした。
ここで印象に残ったのが、会場スタッフの方たちです。
体験する人が一か所に集中すると列が長くなりそうですが、スタッフの方が列の状況をよく見ながら案内していました。
できるだけ列が渋滞しないように、かなり気を配って運営されているように感じました。
そのため、会場内に人は多かったものの、体験型展示で長時間待たされることはなく、比較的スムーズに回ることができました。
ただし、私たちが訪れた平日の月曜日でもそれなりに混雑していたので、土日祝日や会期中の混みやすい時期は、さらに人が増える可能性があります。
これから大南極展へ行く場合は、展示を見る時間だけでなく、チケット購入や体験展示の待ち時間も含めて、少し余裕を持って予定を組んでおくと安心だと思います。
ちなみに私たちは、体験型展示も楽しみながらじっくり回って、会場には2時間以上滞在しました。
まとめ|大南極展は「見たあとに調べたくなる」特別展だった
日本科学未来館の「大南極展」へ行く前、私が南極について知っていることはそれほど多くありませんでした。
雪と氷に覆われている。
ものすごく寒い。
昭和基地があって、南極観測隊が研究している。
その程度です。
ところが実際に会場を回ってみると、知らないことばかりでした。
特に印象に残ったのが、
- 南極でたくさんの隕石が見つかる理由
- 本物の南極の氷から聞こえる音
- 身体まで影響を受けたブリザード体験
- 研究を支える昭和基地での暮らし
です。
そして面白かったのは、展示を見て「へえ、そうなんだ」で終わらなかったことでした。
「なぜ南極では隕石がたくさん見つかる?」
「どうして南極の氷から音がする?」
「どうして映像を見ているだけで気持ち悪くなった?」
「南極で一年近く、どうやって暮らしている?」
実際に見て、聞いて、触れて、体験したことで、次々と疑問が出てきました。
そして、その疑問を一つずつ調べてみると、南極の氷から宇宙や地球の過去へ、ブリザードから人間の感覚へ、昭和基地からそこで働く人たちの暮らしへと、どんどん話が広がっていきます。
南極を見に行ったら、もっと南極について知りたくなった。
私にとって大南極展は、そんな特別展でした。
今回特に気になった4つについては、それぞれ別の記事でも詳しく紹介しています。


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