京都の世界遺産「下鴨神社(正式名:賀茂御祖神社)」は、上賀茂神社と並ぶ“賀茂社”の一つで、京都でも最古級の神社です。
ただの観光名所ではなく、古事記の神話に直接つながる神様を祀る、非常に由緒の深い神社でもあります。
今回は、
- 主祭神
- 古事記との関係
- ご利益
- どんなお願いが向いているか
を整理して、参拝の予習をしておきます。
下鴨神社の主祭神
下鴨神社の主祭神は二柱です。
- 賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)
- 玉依媛命(たまよりひめのみこと)
この二柱は「親子の神様」です。
賀茂建角身命 → 父
玉依媛命 → 娘
そして玉依媛命の子が、賀茂別雷大神(上賀茂神社の主祭神)
つまりこういう家系です:
賀茂建角身命
↓
玉依媛命
↓
賀茂別雷大神
下鴨神社は “賀茂別雷大神を生んだ家系の神様”を祀る神社という位置づけになります。
古事記との関係(とても古い神話)
賀茂建角身命は、古事記に登場するかなり古い神様の流れに属します。
そのルーツは、伊邪那美命(いざなみのみこと)の死体から生まれた神々にさかのぼります。
伊邪那美命が火の神を産んで死んだあと、その体から生まれた神々の中に
- 水の神
- 山の神
- 雷の神
といった「自然そのものの神」がいます。
賀茂系の神は この“自然神系統”の流れを引く存在と考えられています。しかもこの神話は国譲り(大国主→天照側に国を渡す話)より前の時代。
つまり下鴨神社の神様は、
✔ 天照大神より前の時代
✔ 出雲神話よりも前の層
✔ 日本神話のかなり原初的な世界
につながっている神様です。
下鴨神社のご利益
ご利益はとても幅広いですが、特徴的なのは:
- 厄除け
- 健康長寿
- 家系・縁の守護
- 災難除け
- 心身の浄化
特に有名なのは
「みたらしの御手洗池」に象徴される“清め”の力。
水の神系統なので、
- 体調
- 心の疲れ
- 穢れ(気枯れ)
をリセットする神社、という性格が強いです。
どんなお願いが向いている神社か
下鴨神社は「〇〇に当たりますように」「お金ください」というよりも、
✔ 災いを遠ざける
✔ 心身を整える
✔ 家族・生活の土台を守る
方向の願いが合います。
たとえば:
- 大きなトラブルから守ってください
- 体と心が健やかでありますように
- 家族が無事でありますように
- 正しい判断ができますように
といった
“土台を整える願い”がしっくりくる神社です。
玉依媛命を祀る河合神社と手鏡の意味
下鴨神社の境内には、摂社(本社に準ずる重要な神社)として河合神社(かわいじんじゃ)があります。
この河合神社のご祭神は、玉依媛命(たまよりひめのみこと)
下鴨神社の主祭神の一柱であり、賀茂別雷大神(上賀茂神社の主祭神)の母にあたる神様です。
玉依媛命は、
- 清らかさ
- 母性
- 内面の美しさ
を象徴する神様とされ、河合神社は「美麗の神社」として信仰されています。
河合神社で有名なのが手鏡の形をした絵馬(鏡絵馬)です。
この絵馬には、自分の顔に見立てて化粧や色を描き込み、奉納します。
これは単なる「美容祈願」ではなく、
✔ 外見だけでなく
✔ 心のあり方も含めて
✔ 本来の自分を整える
という意味を持つものです。
「鏡」は古来、
- 自分を映すもの
- 真実を映すもの
- 神と人をつなぐもの
と考えられてきました。
河合神社の手鏡絵馬は、
「自分の姿を正しく見つめ、
内側から整えていきたい」
という願いを形にしたものだといえます。
下鴨神社参拝とセットで意味を持つ理由
下鴨神社では
- 災厄を祓い
- 心身を清め
- 生活の土台を整える
そして河合神社では
- 自分自身を見つめ
- 本来の姿を整える
この流れは、
- 「外の穢れを祓い」
- 「内の歪みを整える」
という一連の行為になります。
単なる観光やお願い事ではなく、自分の状態を整える参拝として、とても相性の良い組み合わせです。
上賀茂神社との関係も意識するとよい
上賀茂神社 → 子(賀茂別雷大神)
下鴨神社 → 父(賀茂建角身命)と母(玉依媛命)
なので、
下鴨 → 上賀茂の順で参拝すると
「家系 → 本人」
「土台 → 役割」
という流れになります。
下鴨神社で自分の土台を整え、上賀茂神社で前に進む力を願うという参拝構成は、とても理にかなっています。
まとめ(参拝前の意識)
下鴨神社は
- 古事記の最古層につながる神
- 自然と水の神
- 賀茂一族の祖神
- 浄化と守護の神社
です。
参拝では、「願いを叶えてください」よりも
- 「今日ここに来られたことへの感謝」
- 「自分の状態を整えたいという意志」
を持って手を合わせると、この神社の性格とよく合いますよ。


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